本当に正常?愛犬のバイタルサインと正常値の真相

飼い主であれば愛犬の異変には少しでも早く気づいてあげたいですよね?

でも、犬は自分の不調や症状を言葉で具体的に訴えることができません。

飼い主が目で見てわかる状況や様子、症状だけでは様子を見ても大丈夫なのか、判断に悩むこともありますよね?

何となくいつもより元気がない、というのは主観も入りやすく、動物病院でも具体的に愛犬の状況を伝えるのに困ったりもします。

そんな時のために、愛犬が健康なときの体の状態をバイタルサインとして客観的な数字で知っておくと役に立ちます。

犬のバイタルサインは、体温、心拍数(脈拍)、呼吸数、の3項目です。

ここでは、バイタルサインの正常値、愛犬のバイタルサインをチェックする意味を解説し、測り方の詳細を説明した別ページへの案内もします。

あなたと愛犬にとってどんなメリットがあるのか?

バイタルサインをどうして測ったほうがいいのか?そう思う人もいるでしょう。

愛犬の異変や不調に最初に気づいてあげられるのは飼い主です。その判断材料が増える、というのが一番のメリットです。

愛犬のバイタルサインをチェックすると、具体的にはこんなメリットがあります。

  • 客観的な数字として愛犬の異常や異変を知ることができ、体調不良や病気に気づきやすくなる
  • 愛犬の状態をより詳しく客観的な数字でも伝えることができ、獣医の診断に役立つ
  • 普段生活している環境で、あなたの愛犬の健康な時の数値を知ることができる

愛犬の正常時のバイタルサインを知っておくことが重要

愛犬の普段の様子を知らないと、いつもと様子が違うというのがわかりません。

それと同じように、バイタルサインも愛犬には何が正常なのかを知らないと、愛犬の異変に気付くとことができません。

普段からあなたの愛犬が健康な時の数値を知っておくことが大事です。

犬のバイタルサインの基準値(正常範囲)

一口に犬といっても、小型犬から大型犬まで、体格がまるで違います。

そのため基準となる数値は書籍やウエブサイト、獣医によっても多少違いがあり、小型犬から大型犬まで含めた数値であるため、人と比べると幅が広めです。

  • 犬の平熱(直腸温):37.9~39.2℃
  • 安静時の心拍(脈拍):1分間に70~120回
  • 安静時の呼吸数:1分間に15~30回

その正常値で大丈夫?体温の正常範囲についての補足説明

体温の正常範囲は、Msd Veterinary Manualによると、37.9~39.9℃です。出所を示さずに、この数字を掲載しているサイトも多々あります。

体温に関する研究の中で、犬の体温の中央値が38.9℃だったという報告もあるので、37.9~39.9℃というのが科学的には正しいのかもしれません。

でも、飼い主が愛犬の健康管理としてチェックすることを考えた場合、39.9℃ではちょっと上限が高い感じがします。

愛犬の平熱が普段、どのくらいなのかにもよりますが、経験的に、39.5℃以上ではすでに発熱していて、さらに上がり続ける、他の症状が出る、あるいは出ている可能性もあります。

臨床獣医による記事やAKC(American Kennel Club)では、平熱の上限は39.2℃となっています。

そのため、ここでは、体温の正常範囲の上限は、愛犬の症状として発熱を見逃さないためにも安全策をとって、39.2℃としています。

飼い主としては、こう覚えておけば問題ないと思います。

38℃台なら平熱、38℃を下回ったり、39℃を超えたら、経過に注意してあげる。上がり続ける、あるいは下がり続け、他に気になる症状がある場合は獣医に診せる。

いずれにせよ、愛犬の体温が37.2℃以下の場合と、40℃以上の場合は、動物病院へ連れていくべき緊急事態です。

MEMO
大型犬の一部の犬種ではここでの正常値が当てはまらない(平熱が1℃ほど高い)ことがありますので、普段から実際に測って、把握しておきましょう。

一体どれが正常値?心拍(脈拍)の補足説明

一般的に、犬の心拍(脈拍)は、大型犬の方が遅く、子犬や小型犬の方が速く、体重や犬種、年齢によっても、小さいですが影響を受けます。

そのため、Msd Veterinary Manualでは、犬の安静時の正常な心拍数(脈拍数)は、1分間に70~120回ですが、AKC(American Kennel Club)では1分間に50~130回、アメリカの大学で教えている獣医Dr. Marty Becker氏の書いた記事では60回~140回となっています。

また、犬のサイズごとに正常値をわけたものも存在し、よく調べて情報を精査したい飼い主にはどの正常値を参考にしたらよいのか困るところ。

どの正常値を信頼して参考にするかはあなた次第、というのが現状です。

コーギーの場合、健康であれば、一番幅が狭い70-120回の幅を上限・下限ともに超えることはないと思いますので、それを参考にあなたの愛犬の正常な心拍数(脈拍数)を把握しておきましょう。

ここではMsd Veterinary Manualの正常値を紹介していますが、小型犬は心拍が速く、大型犬は遅いとされているので、小型犬の場合は上限を超えても正常かもしれませんし、大型犬であれば、下限を下回っても正常かもしれません。

でも、それだけではどのくらいならOKなのか、判断に困りますよね?

アメリカでTVや新聞・雑誌でも取り上げられるペットケアのエキスパートAmy D. Shojaiさんの“First-Aid Companion For Dogs & Cats” を参考にした記事に掲載されている、サイズごとの正常値も紹介します。

  • 小型犬 (9kg以下): 70-180
  • 中型犬・大型犬 (9kg超): 60-140
  • 子犬 (生後6週以下): 220回以下

どうですか?それでも幅が広いですよね。これら正常値とされる数値でも、愛犬の普段の心拍数を知らないと、異常に気づけないことになります。

例えば、普段の心拍数が80のコーギーがいます。でもあなたは知りません。

調子が悪そうなので脈拍数を測ったら、130ありました。

調べると、正常値の範囲内だから問題ない、そう判断してしまうかもしれません。

愛犬が健康な時の数値を知っておくことが大事です。

呼吸数の補足説明と体温調節のための呼吸

呼吸数も、心拍と同じように、小型犬では少し呼吸が速く(1分間の呼吸数が多い)、大型犬では遅い(呼吸数が少ない)とされています。

ただ、心拍ほどの幅はありません。

ちなみに、Msd Veterinary Manualでは、1分間に18-34回となっていますが、心臓病学や心臓専門医の獣医が書いた記事では15-30回でしたのでこちらを正常値として紹介しています。

呼吸が速ければ、愛犬の様子からも気づきやすいですが、ストレスや不安や緊張などでも呼吸数が上がるため、異常なのかどうかは呼吸数だけでなく、呼吸のリズムや深さも観察するようにしましょう。

犬は、口を少し開け、舌を出しハァハァと浅く速い呼吸をすることで体温を調節してします(体温を下げる)。

これを浅速呼吸(パンティング panting)といいます。

愛犬が暑い時や、運動や興奮した時などに浅速呼吸をしている場合は、問題ありません。体温調節としての浅速呼吸は、合間に通常の呼吸をはさみながらしています。

いつもより激しい浅速呼吸は、熱中症や発熱、中毒症状、薬の副作用、病気や痛みがあるサインの場合があります。

注意
暑い日や夏は、愛犬が浅速呼吸をしているのか、何か異常があって呼吸が速いのか、区別が難しいです。そのため、異常を見逃さないために、他のバイタルサインや症状もチェックを。人より暑さに弱いので、愛犬のために冷房を使いましょう。

呼吸数だけでなく、呼吸のリズムや深さ、呼吸音など、愛犬の呼吸に異常を感じたり、浅速呼吸がいつもより激しいと感じるなら、動物病院へ連れていきましょう。

5分で測れる!愛犬のバイタルサインの測り方

バイタルサインの正常値や基準値はありますが、幅があり、人によって正常とする数値にバラつきがあります。かかりつけの獣医とも違うこともあります。

大事なのは、愛犬には何が正常なのか、あなたの愛犬が健康な時の数値を知っておくことです。

普段の様子が分からなければ、「いつもと違う」と気づくことができませんよね?

それと同じです。

そのため、まずは愛犬が健康でリラックスしている時に行い、それらを記録しておきます。

練習を兼ねて、普段から定期的にやることで、短時間でチェックできるようになります。たった5分ですべてチェックすることもできるようになります。

バイタルサインは、呼吸数、脈拍数、体温の順で測ると、正確でスムーズに測ることができます。

最初に体温を測ると、嫌がったり興奮したりした場合、呼吸や脈拍数に影響し、落ち着くまで待つ必要があるからです。


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