【重要】FDAがグレインフリーに警告

特別療法食って何?飼い主が知っておくべきこと

療法食というその名前から、何となく病気と関係があるというのは想像できると思いますが、実は想像とは違うこともあります。

○○向けの療法食だからどれも同じというわけではありません。

療法食は、病気によっては愛犬の健康状態すら左右しかねないので、最低限、療法食とは何なのかくらいは飼い主として知っておいたほうがいいかもしれません。

まさか薬だと思ってない?特別療法食(療法食)とは何なのか?

特別療法食(療法食)は、動物病院で愛犬に与えるよう指示されるので、中には薬のようなものと勘違いする人もいますが、薬ではありません

では、一体何なのか?市販されているドッグフードと何が違うのか?

ペットフード公正取引協議会の規約では次のように定義されています。

「療法食」とは、栄養成分の量や比率が調節され、特定の疾病又は健康状態にあるペットの栄養学的サポートを目的に、獣医療において獣医師の指導のもとで食事管理に使用されることを意図したものをいう。

引用元:ペットフードの表示に関する公正競争規約

療法食は、市販のドッグフードとは以下の点が異なるドッグフードです。

  • 特定の病気や健康状態にある愛犬のために栄養素を調整した食事
  • 食事制限のために、総合栄養食ではないこともある
  • 獣医師の指導のもとで与えるもの

医薬品ではないので、病気の治療や予防といった表現はできません。また、特別な医薬品が含まれている食事でもありません。

療法食は代わりになるのものがない唯一の薬ではありません。あくまでも愛犬の食事の一つです。

自己判断で与えると愛犬の健康を損なうこともある

病気によっては、総合栄養食の基準では適切ではない栄養素もあり、食事で制限する必要があるので、総合栄養食ではない場合もあります。

例えば、腎臓病ではリンなどは総合栄養食よりも制限が必要になり、タンパク質も制限されます。

腎臓病でもないのに、高齢で心配だからと獣医の指導もなしに自己判断で与えると、筋力量が低下してしまい生活の質が落ちるなど、かえって愛犬の健康を損なう恐れがあります。

療法食には法律上の定義すらない

療法食は治療と密接な関係にありますが、法律で定義が決まっているわけではありません。

定義すらないので、当然ながら、医薬品や特別用途食品のように国の承認や許可も必要なく、個別に審査が行われているわけでも、基準があるわけでもありません。

つまり、ある病気の愛犬のための療法食というのは、本当に栄養学的にサポートできるものなのか、適しているものなのか、何ら公的なお墨付きはありません

輸入ドッグフードであっても同様です。

例えば、アメリカならFDAが管轄ですが、療法食という定義はなく、どれ一つとして認可や承認はしていません。

メーカーの責任で「療法食」を名乗っているだけ

療法食の製造や輸入、販売をするには、日本のペットフード安全法では、通常のペットフードの製造や輸入、販売を行う場合と同様です。

特別療法食だからといって製造や輸入、販売をするために何か特別な認可や審査が必要というわけではないのです。

療法食と表示したければ、事業者の責任において、「療法食」と表示することができます。

詳しくは以下で確認できます(Q.6~Q.9)。

参考 ペットフード安全法その他のQ&A(PDFファイル)農林水産省

ペットフード公正取引協議会の表示規約では次のようにあるだけです。

「療法食」の表示をする事業者は、商品名、適用される疾病又は健康状態、表示の根拠である試験結果の保管場所を公正取引協議会に報告する。

引用元:ペットフードの表示に関する公正競争規約施行規則

表示の根拠となる試験結果が個別に審査されているわけではないんです。試験方法が定められているわけでもありません。

私たちの食品にも糖尿病や腎臓病などの食事療法に使われる宅配食があります。個別の審査や許可は必要ありません。

でも、食事療法用の宅配食には、消費者庁の「食事療法用宅配食品等栄養指針」というガイドラインがあり、それに基づいて医学的・栄養学的に適正に提供されるようになっています。

ところが、ドッグフードの療法食にはガイドラインすらありません。

療法食としての信頼性はメーカー次第

あくまでも企業の責任において療法食と表示しているだけ。人間の食品に例えるなら、機能性表示食品に近い感じですね。

機能性表示食品は、機能性の表示の根拠を消費者庁のホームページで誰でも確認できますが、療法食は見ることはできません。

審査もガイドラインもないので、どんな試験を行い表示の根拠にしているかはメーカー次第です。

臨床試験を行って、その結果を学術誌に論文として発表するメーカーもあれば、単に分析試験の結果が、研究で報告されているものと合致しているだけで、実際の商品の効果は何一つ検証していないかもしれません。

つまり、療法食としての信頼性はメーカー次第です。

同じ病気や健康状態向けの療法食であっても、どれも同じということではありません。そのため、通常の維持食以上によく情報収集して選んだ方がいいでしょう。

療法食は愛犬にとって唯一の薬や食事ではなく、代替手段がある

最後に、療法食が必要になった時に、困らないように、これだけは覚えておくといいかもしれません。

療法食は代わりになるのものがない愛犬にとっての唯一の薬ではありません。

あくまでも愛犬の食事の一つ、選択肢の一つだということです。つまり、代替手段があるということです。

特定の病気や健康状態にある愛犬のために、栄養素を適切に調節してあげることが大事なのであって、愛犬に与える食事は必ずしも療法食である必要はないということです。

療法食も含め、愛犬の食事には他にも選択肢があることを覚えておくと、実際に療法食を与えることになった時に、療法食で困ることがなくなります。

詳しくは以下の記事で解説しています。
愛犬に療法食を指示されたら飼い主がすべきこと