それ本当?ストルバイト結石の療法食の疑問を解決

動物病院へ連れて行ったら、これからはずっと療法食や処方食を食べさせるよう勧められませんでしたか?

療法食を食べなきゃいけないのに、愛犬が食べてくれない・・・どうしようと困っていませんか?

ストルバイト結石(リン酸アンモニウムマグネシウム結石)の時に処方される療法食は、動物病院では必ず勧められます。その一方で、ネットで検索すると、療法食は必要ない、与えなくても治るという人もいます。

本当なのか不安、療法食っていったい何なんだ?そんな不安や疑問がわくと思います。

ここでは、そんなストルバイト結石の時に処方される療法食の疑問を解決します。

獣医の説明不足は否めませんが、どんな目的・役割のためにあるのか、これがわかれば、スッキリすると思います。処方された療法食を食べてくれずに不安になることもなくなります。

療法食は与えなくてもいい?生涯ずっと与える?

まず、混乱しないように結論から言いましょう。

療法食は必須ではありませんが、結石の溶解・除去に役立ちます。そのため、すでに処方されたのなら与えた方がいいでしょう。

愛犬が食べない場合、与えなくても治りますが、飼い主にはやるべきことがあります。

療法食は一生与える必要はありません。再発予防にも、療法食は一切不要です。長期給与はむしろ健康上のリスクになる可能性があります。

コタロウもこの結石を経験し、これからは療法食で、おやつもダメ、そう言われました。

でも疑問に思い調べてみたら、そんな必要はないということがわかりました。

最初の一袋くらいは与えた記憶がありますが、その後は一度も療法食も維持食も与えませんでした。それでも、不安や心配は一切ありませんでしたし、その理由もこの記事でわかると思います。

幸い、コタロウは再発することなく16年の生涯を過ごすことができました。

療法食は必須ではありませんが、結石の溶解・除去に役立ちます

療法食は必要ない、与えなくても治ると言われるのは、ストルバイト結石の原因が尿素分解菌による尿路感染だからです。

健康な尿なら溶けているものが溶けにくい状態、つまり、尿路感染で尿がアルカリ性になっていることが悪いからです。

尿路感染症は、普段与えている食事が原因ではありませんし、食事でどうにかなるものではありません。

療法食や処方食は薬ではありませんので尿路感染を治せません。

だから、療法食は必要ないとか、与えなくても治る、と言われるわけです。

でも、意味もなく獣医は療法食を処方しているわけではありませんし、メーカーもそんなものを作って動物病院に置いてもらえるわけがありません。ただ、処方する時の獣医の説明には問題がありますが…。

そもそも、療法食は、尿路感染症のためにあるのではありません。

療法食は、結石の溶解や形成されにくい尿をサポートするためにあります。

結石が溶けやすく、大きくなりにくい尿の状態にするために成分を調整した食事ということです。

ストルバイト結石の療法食とは
  • 結石の構成成分(材料)となるリンやマグネシウム、タンパク質(代謝され、最終的には尿内の成分として尿素ができ、原因菌によってアンモニアになる)を制限し、結石の増大や新たな結石を防ぐ
  • DLーメチオニン(アミノ酸の一種で尿を酸性化するために使われる)などで尿のpHを結石が溶ける弱酸性にコントロールすることで、結石を溶けやすく形成されにくくする
  • ナトリウム量を増やし、水分摂取を促すことで、尿量を増やし、尿が濃くなるの(結石成分が飽和状態の尿)を防ぐ
このような目的・役割のためにあります。

ストルバイト結石の治療は、結石を溶解・除去し、尿路感染症の原因菌を死滅させ無菌尿を維持する、この2つの柱で行われます。

療法食や処方食は、結石を溶かす、あるいはできにくい尿を維持することで、治療の柱の一つをサポートしてくれます。

治療には結石の除去は欠かせませんので、その際に役に立ちます。だから動物病院では必ず処方されるんですね。

外科的に除去した場合は、もはや療法食にはその出番はなく、必要はないということになります。術後は与えてはいけない療法食もあります。

MEMO
メチオニンは必須アミノ酸の1つで肉類に多く含まれています。そのため、どのドッグフードにも含まれています。DLーメチオニンは合成されたメチオニンで、これが添加されているということは、原料だけでは十分でないか(つまり、肉類が少ない)、尿を酸性化するために使われています。

与えた方がいいけど、愛犬が食べないならあげなくても大丈夫。ただし…

愛犬のストルバイトを初めて経験した場合、獣医に指示されたことを断れる人はほとんどいないでしょう。

療法食は必須ではありませんが、結石の溶解・除去に役立ちます。

ですから、せっかく購入したのであれば、愛犬の治療に役立つので、一時的に与えたほうが治療にはいいかもしれません。

結石は、感染した異物として、完全除去が原則だからです。

結石があるうちは、抗生物質での治療が効果的ではなく、原因菌が付着した結石や結晶が残ってしまうと、それらが病巣のようになり、そこから増殖し再発する可能性があるからです。

とはいっても、愛犬が食べてくれればの話ですが…。

もし愛犬が食べてくれなくても不安になる必要はありません。食べないなら無理に与えなくても大丈夫です。普段の食事で構いません。

必要ない、与えなくても治るという人もいますが、治療の柱の一方だけしか見ていない、こう見ることもできます。そのため、ただ鵜呑みにするのはよくありません。

与えなくても治りますが、十分な水分摂取など飼い主がすべきことはある、ということは忘れてはいけません。

人の場合、リン酸アンモニウムマグネシウム結石では、そもそも食事療法なんてものは存在しません。

できた結石は外科的に除去されるのが一般的だからです。自然排石が望める場合も、尿の酸性化剤が処方されることもありますが、食事療法はありません。

でも、結石の種類にかかわらず、十分な水分摂取は必須です。

人間なら、尿を濃くしないために、水分摂取などの医師の指示は自分でできます。

でも、愛犬の場合はそうもいきません。飼い主が水を飲ませる必要がありますし、確実にできるとは限りませんので、そのあたりも考えて療法食は作られています。

愛犬が食べてくれなくても不安になる必要はありません。与えなくても治ります。ただし、飼い主には愛犬のためにやるべきことがある、ということは忘れないでください。

療法食は一生与える必要はなく、再発予防にも不要

療法食は、結石の溶解や形成されにくい尿をサポートするためにあります。原因である尿路感染を治すものでも防ぐものでもありません。

そのため、結石が無くなり、結石ができる原因になっていた尿路感染症が治れば、もはや療法食は必要ありません。

ストルバイト結石は再発しやすいとされ、再発予防のためにと勧められると断りにくいですが、療法食や下部尿路に配慮した…等の食事は必要ありません。

理由は簡単です。

ストルバイト結石が形成される原因は膀胱炎などの尿路感染症です。尿路感染症を予防できる食事なんて存在しないからです。

尿路感染症を予防できる食事なんてあったら、再発する尿路感染症で悩む女性が大喜びすると思いますが、そんな事実はありません。

感染は食事で防ぐことはできませんし、尿路感染症が完治すれば、いつもの食事でストルバイトが溶ける健康な尿のpH(酸性)を維持できます。

尿路感染症になってしまうのが問題なのであって、食事が問題なのではありません。

食事が原因で結石が形成されるわけではないので、尿内で結石の材料になる栄養素を調整する必要はありません。

再発予防のために、維持食も、健康な尿路に配慮した等の表記がされた食事も不要です。

ストルバイト結石になると、あたかも療法食が必須で、この先ずっと療法食でおやつもダメみたいな話になりますが、そんな必要はありません。

それどころか・・・

療法食の長期給与には健康上のリスクがある

あなたは動物病院で療法食についてどのような説明をされたでしょうか?

療法食は与えない方がよいケースがあり、長期間の使用は健康上のリスクになる療法食もあるのを知っているでしょうか?

療法食は、本来なら血液検査などもして、与えても大丈夫か、健康上問題がないか確認しないといけません。

一部の溶解食と呼ばれる療法食は、短期間での結石の溶解が期待できます。

しかし、外科手術後や、心不全、高血圧、腎臓病、肝臓病、アシドーシスなどの不安がある場合は、使用を控えます。与える場合も、6か月を超える長期給与は推奨されません。

ナトリウム量を調整した(増やした)療法食は、ナトリウム摂取に制限が必要な愛犬だけでなく、多くの愛犬にとって、長期給与は健康上のリスクになります。

アルカリ性になった尿を弱酸性になるよう調整された療法食は、長期給与した場合、肝臓に負担をかける可能性があります。腎臓に不安がある場合、悪化させるリスクになりかねません。

療法食はヒルズかロイヤルカナンのどちらかを勧められると思いますが、日本語の公式ページはあてにならず、US版で書かれている大事な情報が欠けているので、こちらの方が参考になります。

療法食は、成分を調整し結石の溶解・除去に役立ちますが、長期給与するには、アンバランスな食事で、療法食によっては健康上のリスクになりうるということです。

ストルバイト結石ができやすいアルカリ尿になっている原因は尿路感染症です。

あなたが与えている食事が原因ではないし、尿路感染症が治れば、ストルバイトが溶ける健康な尿のpH(pH6前後)に戻ります。

もともと肉食動物の健康な尿は酸性なのです。犬本来の肉食中心の食事なら尿は酸性(弱酸性)になります。ストルバイト結石が形成されにくい尿です。

療法食は一生与える必要はありません。むしろ長期給与は、健康上のリスクがあります。再発予防のために、維持食も、健康な尿路に配慮した等の表記がされた食事は不要です。

この記事の要点
  • 療法食は必須ではありませんが、結石の溶解・除去に役立ちます
  • そのため、処方されたのなら一時的に与えた方が治療のためにはいいでしょう
  • 愛犬が食べない場合、与えなくても治りますが、飼い主にはやるべきことがある
  • 療法食は、結石の原因である尿路感染症の治療や予防のためのものではない
  • だから、療法食は一生与える必要はなく、再発予防にも療法食は一切不要
  • 療法食によっては、長期給与は健康上のリスクになりうる
療法食について、断片的な情報に右往左往することなく、愛犬のために対処しましょう。

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