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ストルバイト結石の愛犬のために飼い主ができること

結石に共通の対処法やストルバイト結石の愛犬のために、飼い主ができることを紹介します。

療法食を勧められたものの、愛犬が食べてくれず、与えなくても治ると言われても不安で仕方ないでしょうし、飼い主がすべきことはあります。

ただ、ストルバイト結石の場合、結石が形成される原因は尿路感染症ですので、感染しないようにすることが一番ですが、尿路感染症を防ぐ確実な方法というのはありません。

予防やリスクを減らすのに役立つかもしれない、予防策はその程度だと思って、過剰な期待はしないようにしてください。

飼い主ができる対処法と予防策

結石の時に飼い主にできる対処の基本は、愛犬の尿が結石成分の飽和状態(溶けていられる限界)になるのを避けること、です。

簡単に言うと、尿を濃くしないことです。つまり、ストルバイトが溶けていられる尿を維持することです。

砂糖をストルバイト、水を尿、水の温度を尿のpHに例えた、砂糖水を考えるとわかりやすいでしょう。

砂糖水を作ったら、溶けずに底の方に粒が残っているとき、それを溶かすためにはどうすればいいでしょうか?

  • 水の量を増やせば溶かせますよね。つまり尿の量を増やせばいい。
  • 冷水よりお湯の方が溶けますよね。つまり尿のpHをストルバイトが溶ける酸性にすればいい。
  • そもそも砂糖水を作る前に、砂糖自体を減らせば、粒が残らず溶かせます。結石の構成成分の摂取を減らせばいい。

基本的な考え方は砂糖水の時と同じです。とってもシンプル。

療法食は成分を調整してこれらすべてをやろうとする食事です。すごいと言えば確かにすごいですが、無理も出てきます。

この3つうち、飼い主ができるのは上の2つです。尿の量と尿のpHです。飼い主がストルバイトの構成成分を食事で調整するのは非現実的です。

【対処&予防】愛犬に水分を十分にとらせる

ストルバイト結石に限らず、結石の場合に共通の基本的な対処法です。獣医に指示されると思います。

水分を十分に摂らせるのは、尿が濃くなるのを防いで、結石の構成成分が飽和状態になる尿を避けるためです。

簡単に言うと、ストルバイトが結石としてではなく、尿に少しでも多く溶けた状態でいられるようにし、結石化が進まないようにするためです。

飽和状態(溶けていられる限界)を超えると、溶けないままのストルバイトが増えることになりますので、結石を大きくしたり新たな結石ができやすくなります。

飽和状態を避けるために、言い換えれば尿を薄くするために、水分を十分に摂るようにして尿量を多くしてあげるわけです。

では、十分にとは、どのくらいの量のことをいうのか。

愛犬の1日に必要な水分摂取量の目安は計算式で求めることができますので、それを目安にするといいでしょう。

当然ですが、活動量によっても必要な水分摂取量は違ってきますし、個体差もありますので、できれば普段どのくらいの水を飲んでいるか知っておくといいでしょう。

電卓不要!愛犬の1日に必要な水分摂取量(ml)の求め方

MSD Veterinary Manualによると、MER(維持エネルギー要求量)の数値(kcal)=1日の水分摂取量の数値(mL)、というアプローチが紹介されていたので、こちらを参考にして目安量を計算します。

ここでは、活動量などは考慮せず、FEDIAF Nutritional Guidelines 2017を参考に年齢による違いだけでMERを求めることにします。

以下の赤字部分の計算式をGoogleの検索窓にコピペして、愛犬の体重(kg)を入力してGoogle検索すれば答えを返してくれます。

1日の水分摂取の目安量
1-2歳:130*(愛犬の体重^0.75)

3-7歳:110*(愛犬の体重^0.75)

8歳以上:95*(愛犬の体重^0.75)

例:5歳、体重9kgのコーギーの場合は次のようになります。

110*(9^0.75)=571.5
(^0.75は0.75乗を意味します)

1日の水分摂取の目安量は572mlということになります。

これにはフードに含まれる水分も入りますので、実際の飲料水としての量は少し少ないくらいを目安にするといいかもしれません。活動量や気温によっても量は変わりますのでその辺は柔軟に。

栄養基準の基になっているNRC(全米研究評議会)の飼養基準でも、犬の場合、1日の摂取カロリーの数値と同じ数値の水分量が適切とされているそうです。

そのため、与えている食事のカロリーが分かっているなら、食事のカロリー=水分摂取の目安量でもOKです。

愛犬に水分摂取を促す工夫をする

基本的なことですが、新鮮な水を与え、取り換えることができるなら、1日に数回、新しい水に交換してあげます。

夏に水道水のニオイが気になる地域では、浄水器を使うことも検討してください。気温が上がりニオイがたっているだけで、年間を通して水道水には塩素などが同じくらい入っているということです。

愛犬に水分を摂らせる簡単な方法は、ドライフードなら、食事の際にドライフードが浸る程度にぬるま湯を入れて、少しふやけたらそのまま水分と一緒にあげることです。

ドライフードは、異常に水分含有量の少ない食事(保存食)ですので、普段からぬるま湯で少しふやかしてあげるのがおすすめです。

食事を与えるのに手間と時間が増えますが、その手間と時間を愛犬の体に負担させずに済む、という見方もできます。

水をあまり飲んでくれない場合は、鶏肉や鶏皮でだしを取ったスープを冷ましたものや、水に風味をつける商品を利用するのも手です。ただ、カロリーがあるので、その点は注意してください。

いつでも水分摂取ができるように、水の置き場所へ常に行けるようにしておきます。例えば、水のある部屋へいつでも行けるように扉を開けておいたり、置き場所を増やすなど。

他にもどのタイミングで水を飲むかは大体わかっていると思いますので、その機会を増やすことで水を飲む機会を増やすことができ、愛犬に水分摂取を促すことができます。

例えば、おもちゃで遊んだ後とか、散歩の後は必ず飲むのであれば、散歩を日課にするなど、水を飲む機会を増やすように心がけてあげます。

これは愛犬のことが分かっている飼い主だからできる工夫です。想像力を働かせましょう。

【対処&予防】愛犬に尿を長時間我慢させない

尿の通り道には通常、細菌がいないか、仮に細菌が侵入してしまっても、尿によって押し流されたり、免疫力があるため、すぐに膀胱炎など尿路感染症になるわけではありません。

膀胱や尿道内に細菌が侵入しても、尿の流れや排尿することでも、感染を防いでいます。

ところが、尿を長時間我慢させると、尿の流れが膀胱で停滞します。そうすると、せっかく水分摂取をして尿量を増やしても、尿が濃くなります。

水を取り替えない水槽のような状態を想像するとわかりやすいでしょう。

細菌が侵入してしまっている場合、細菌が留まり繁殖しやすくなるため、感染しやすくなります。

すでに感染している場合も、細菌が増殖した尿を膀胱内に長時間溜めておくことにもなりますので、結石ができやすい尿を膀胱内に留めておくことになってしまいます。

そのため、愛犬に尿を長時間我慢させないようにします。

MEMO
成犬の場合は、1日3回~5回程度は排尿しますが、愛犬がいつもどれくらいの回数をしているかを知っておくと、異変にも気づきやすくなります。

【対処】ストルバイトが溶けやすいように尿を酸性化する

これも、結石成分が飽和状態(溶けていられる限界)になる尿を避けるための方法です。

犬の健康な尿のpHは幅がありますが、酸性でpH5.5~7.0とされます。pH試験紙で言うと5、6、7が許容範囲ですが、5や7でも6に近い方が理想的です。

MEMO
pHは、7の中性を基準に、7を超えるとアルカリ性、7より低いと酸性になります。犬の健康な尿は酸性ですが、中性に近い酸性ということになります。

ストルバイト結石は、尿素分解菌が作り出すアンモニアによって尿がアルカリ性になってしまうことで形成されます。

ストルバイトは、中性やアルカリ性では溶けにくく、酸性で溶けるという性質があります。

健康な尿では溶けていたものが、アルカリ性になって飽和状態(溶けていられる限界)になり結石ができているから、尿を酸性にしてあげれば溶かせるというわけです。

では、どうすれば尿を酸性にできるのか?

尿のpHは、ある一定の値(例えばいつもpH6.0など)であることはなく、幅があり、食事や運動などにより1日の中でも変化します。

つまり、尿のpHは食事や運動の影響を受けます。それを利用して尿を酸性化し、結石が溶けやすい尿にしようということです。

食事で尿を酸性にコントロールする

食事で尿を酸性にコントロールしようとする代表例が療法食です。

必須ではありませんが、普段与えている食事ではもう酸性を維持できず、アルカリ性になり結石ができているので、療法食が勧められるわけです。

ストルバイト結石になった時に、アルカリ性の尿を酸性に傾けるには、療法食を一時的に与えるのが簡単な方法です。

ただ、異常事態の時はアルカリ尿を酸性にするのはいいですが、健康な尿に戻った時にそれが体に良いかというと疑問が残るので、やはり療法食は一時的にのみ使うべきでしょう。

また、療法食は愛犬が食べてくれないこともあります。初めて経験し、獣医に指示された食事を食べてくれないとなると心配なはずです。

与えなくても治ると言われても不安でしょうし、何より、目の前の愛犬のを何とかしてあげたいですよね?

結石を溶かし除去してあげることは、抗生物質の治療効果を上げるためにも、症状がある愛犬の苦痛や不快を少しでも早く取り除いてあげるためにも大事なことです。

そんな時は、今の食事に尿を酸性化してくれる働きが期待できるクランベリーのサプリをプラスするといいかもしれません。

動物用のクランベリー含有サプリメントを評価検討した研究で、クランベリー含有サプリはアルカリ尿を酸性化することが報告されています。

酸性化するといってもアルカリ性が中性になる程度ですが、それでも役立ちます。というのは、クランベリーには他にも予防に役立つ働きがあるからです。

研究で評価検討されたサプリは、「ディーエイチシー (DHC) 愛犬用おしっこすいすい」です。

犬本来の肉食中心の食事であれば、健康な尿のpHである酸性、ストルバイトが溶ける尿を維持できますが、治療後も心配なら続けてもいいかもしれません。

運動で尿が酸性に傾く機会を作る

また、尿のpHは運動によっても影響を受け、運動後は酸性に傾きます

運動を意識して増やすのも尿のpHを酸性化するのに役立ちますので、ストルバイト結石の時は病気だからといって散歩や運動を控える必要はありません。ただし、愛犬が嫌がる、痛みがある場合はしないように。

コーギーは活動的な犬ですし、遊ぶのも大好きですから、普段から運動不足にならないように十分に運動する習慣を持つことはストルバイトが溶ける尿を維持するのに役立ちます。

【対処&予防】療法食を食べてくれない時や再発予防に

クランベリー

クランベリーが尿路感染症の再発予防に有効だという話は、女性なら知っている人もいるでしょう。

クランベリーは、一般的に次のような作用が知られています。

  • キナ酸が体内で馬尿酸という物質に変化することで、尿を酸性化するのに役立つ
  • ポリフェノールの一種あであるプロアントシアニジンが、膀胱炎などの尿路感染症の原因となる細菌が尿路粘膜に付着するのを防ぐ作用がある

療法食を食べてくれない時や、再発を繰り返す場合に役立ちます。

実際、クランベリーのサプリや健康食品は、その有効性を実感している飼い主の方も大勢います。

最近の人への研究では、予防や治療に有効と言える十分なエビデンス(科学的根拠)は得られていないようですが(参考サイト参照してください)、有効性を否定するものではないので、試す価値はあると思います。

参考サイト
コクラン:尿路感染症予防におけるクランベリー
コクラン:尿路感染症治療におけるクランベリー

犬の場合、上で紹介したように、愛犬用クランベリー含有食品が、獣医師専門雑誌「MVM」に掲載されたレポートで有用性が報告されています。

特に、再発を繰り返す場合、抗生物質を長期間使うことになり、抗生物質が効かない耐性菌ができてしまう心配があります。それを避けるためにも、クランベリーサプリは役立ちます。

抗生物質での治療後は良い菌も消滅している状態なので、免疫力が低下しています。治療後に、ストルバイト結石になりづらいカラダ作りにのサポートに利用することもできます。

ひとつ気になるのは、クランベリーはシュウ酸が多く含まれると言われている点です。シュウ酸の摂り過ぎはシュウ酸カルシウム結石のリスクになります。

サプリや健康食品では、どう処理されているかわからないので、心配だからと何年も愛用するのはどうかと…。結石をはしごする、なんてことになりかねませんので、利用する際は、心に留めておいた方がいいでしょう。

再発しないようであれば、続けて使わなくても大丈夫でしょうが、手元にあれば安心はできますね。愛犬用おしっこすいすいは、値段も安いのでおすすめです。

乳酸菌(プロバイオティクス)

人での研究では、抗生物質が効かない耐性菌を防いだり、成人女性において、乳酸菌のラクトバチルスの摂取で、再発する尿路感染症を防ぐのに安全で効果的である、とする研究もあります。

犬ではどうなのかは、正直、わかりません。

ストルバイト結石になると、結石ができる尿になっている原因である膀胱炎などの尿路感染症を抗生物質で治療します。

抗生物質は、腸内の善玉菌までも減らしてしまうため、原因の尿路感染症が治ったと思っても、善玉菌も減っているので、再発の可能性が高くなります。

そのため、乳酸菌を取り入れることで体内に善玉菌を増やし、善玉菌が優位な環境にしてあげることで、免疫力アップを狙い、再発しない体づくりをするのに役立つかもしれません。

また、尿路感染症を引き起こす菌は腸内にもいます。感染は尿道口からが多く、肛門と尿道口が近いメスに発症率が高いので、腸内環境を整えるのは良いのかもしれません。

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