【重要】FDAがグレインフリーに警告

高タンパクな食事は愛犬の腎臓に悪い?それとも問題ない?

あなたもこんな話を聞いたことがありませんか?

高タンパクな食事を与えると、愛犬の腎臓に負担をかけることになる。そんな食事を与え続けると、将来愛犬の腎臓を悪くする、腎臓病になる・・・。

獣医やペット関連の資格がある専門家の記事やブログ、Q&Aサイトなどでもそんな回答がされています。

そうかと思えば、犬本来の食事を追求した高タンパクなドッグフードは人気ですし、ローフード(生肉を中心とした食事)も注目を集めています。

あなたも、愛犬の食事を変えようと高タンパクなドッグフードを検討しているかもしれません。

でも、高タンパクな食事が愛犬の腎臓に悪いなんてことを聞いたら、愛犬の食事をどうしようか悩みますよね?

すでに高タンパクな食事を与えている場合は不安になるでしょう。

この記事では、そんな不安や疑問を払拭し、自信をもって愛犬に食事を与えることができるように解説します。

高タンパクな食事は、犬の腎臓に悪影響を与えない

そもそも、なぜ高タンパクが愛犬の腎臓に悪いと言われるのか

高タンパクな食事は腎臓に悪いと言われるのはなぜでしょうか?その理屈はこうです。

タンパク質は、代謝されると老廃物(尿素窒素、尿酸、クレアチニンなど)が出ます。

腎臓は血液中にある代謝老廃物をろ過し、尿として体外に排泄する働きをしています。

だから、高タンパクな食事はタンパク質から出る老廃物が増え、それを処理する腎臓に負担をかけることになる、腎臓を悪くする、というわけです。

腎臓や老廃物が処理される説明としてはほぼ正しい説明ですから、専門家や知識のありそうな飼い主さんにそう言われれば、そうなのだと納得してしまうでしょう。

また、腎臓病が進行すると、人も犬もタンパク質を制限しますので、腎臓の病気とタンパク質は関係がある、高タンパクは腎臓に良くない、そう思ってしまうのは不思議なことではありません。

高タンパクは愛犬の腎臓に悪いという話、実は科学的根拠はありません

信じられている理論、仮説、社会的通念というだけで、実は科学的根拠(エビデンス)のない話です。

高タンパクな食事が愛犬の腎臓に悪影響や副作用はないということは、実際に犬で実験を行った、いくつもの研究によってわかっています。

ジョージア大学で行われた、片方の腎臓を摘出したシニア犬での研究、慢性腎臓病(慢性腎不全)の犬での研究があります。

これらの研究では、どちらも高タンパクな食事と低たんぱく質な食事を与えて実験が行われました。

この2つの研究結果は、どちらも、高タンパクと低タンパクな食事とで、腎臓への影響で明らかな差がないことが示されています。

また、ペンシルベニア大学獣医学大学院のBovée KC氏の犬の腎機能における食事のタンパク質の影響についてのレビュー論文では、対象とした研究論文の結果は、高タンパク食が腎臓の機能に明らかな副作用があるとする仮説を支持しない、としています。

補足:レビュー論文って?
レビュー論文は、すでに発表された研究論文の要約や評価を行う論文のことです。先行研究や論文の知見をまとめているので価値のある論文とされています。

研究によって、健康な犬どころか、腎臓病や腎機能が低下した犬でも高タンパクな食事は腎臓に影響しないことが示されています。

いくつもの研究で、高タンパクな食事が愛犬の腎臓に悪い影響がある、腎臓病を招くとするのは、科学的根拠がなく、高タンパクな食事によって腎臓が悪くなることはないということがわかっています。

このことは、Nestlé Purina PetCare ResearchのLaflamme DP氏のレビューでも、多数の研究がタンパク質が腎臓に悪影響を与えないということを裏付けてきた、と述べられています。

つまり、高タンパクな食事が愛犬の腎臓に影響がないということは、科学的根拠(エビデンス)があります。信じる信じないの話ではありません。

高タンパク質な食事を愛犬に与えることに不安を覚える必要はありません。

アメリカではすでに”根拠のない説”という扱い

日本では未だに根強く信じられていますが、例えば、American Kennel Club(AKC)では、”The 8 Biggest Myths About Dog Food(ドッグフードにまつわる8大神話)”という記事で、高タンパク食が腎不全を引き起こすという話も神話の一つとして紹介されています。

ここで言うMyth=神話とは、広く信じられている根拠のない説という意味です。

小動物の腎臓病に対する科学的理解を深めることを目的に設立された国際的な非営利団体、IRIS(the International Renal Interest Society)というのがあります。

ここでは、腎臓病のステージ分類やステージごとの治療などのガイドラインや情報が提供されています。

その中にはリスク要因についてのページもあるのですが、リスク要因として猫の食事についての記述はありますが、犬については、高タンパクどころか、そもそも食事の項目では触れられず、記述がありません。

さらに、MSD Veterinary Manual(世界的な獣医学書であるMerck Veterinary ManualのWEB版)にも、高タンパクが犬や猫の腎機能に影響がないことは、明記されています。

High protein intakes per se do not cause skeletal abnormalities in dogs (including osteochondrosis in large breeds) or renal insufficiency later in life in dogs or cats.

MSD Veterinary Manual:Nutritional Requirements and Related Diseases of Small Animalsより引用

訳:高タンパクの摂取は、それ自体、犬の骨格異常あるいは犬や猫がその後に腎臓の機能不全を引き起こす原因にはならない。

一般的に信じられているだけの神話にもう不安になる必要はありません。

愛犬に高タンパクな食事を与えても腎臓には問題ありません。

注意
CKD(慢性腎臓病)の犬で、貧血や尿毒症の症状があるなど病気が進行している場合は、症状を緩和したり、愛犬の生活の質の低下を最小限にするためにタンパク質制限が必要です。
ちょっと寄り道
私たち人間でも、糖質制限や筋トレ中のプロテインなどで同じようなことが言われますが、国立健康・栄養研究所の運営するリンクDEダイエットで、高たんぱく食は健康な人の腎機能に影響しない、という最新の研究結果が紹介されています。

まとめ

愛犬に高タンパクな食事を与えても腎臓を害することはない。

このことは、多数の研究により示されている。つまり、科学的根拠がある。

高タンパク=腎臓に悪いというのは、信じられている話、神話で、科学的根拠がない。

愛犬に高タンパクな食事を与えることに不安を感じる必要はありません。

リファレンス