EPA+DHAで愛犬の慢性腎臓病の進行を遅らせる方法

完治がない病気である慢性腎臓病。飼い主ならそんな愛犬の病気の進行を少しでも遅らせ、生活の質を維持してあげたいですよね。

飼い主ができる有効な手段の一つが、愛犬にEPA+DHA(オメガ3脂肪酸)を与えることです。

EPA+DHAを与えると、糸球体ろ過量(腎機能の指標)が維持され、蛋白尿やクレアチニンの減少、組織の損傷が軽減され、科学的に腎保護効果が得られることがわかっているからです。

つまり、EPA+DHAを愛犬に与えると、進行を遅らせることができます。

でも、慢性腎臓病の犬にEPA+DHAが良いとわかっても、実際に愛犬に与えようという場合、どのくらい与えたらいいのでしょうか?

サプリメントの目安量でいいのか?

それとも慢性腎臓病の犬に効果的な量や与え方はあるのか?

あなたもそう思っていませんか?

この記事では、愛犬チャコのために、アメリカの臨床現場で推奨されている科学的根拠に基づいた方法を調べ、実践している方法を紹介します。

標準的な用量は体重1kgあたりEPA40mg+DHA25mg

Today’s Veterinary Practiceの記事によると、慢性腎臓病の犬と猫に推奨されている標準的な用量は、体重1kgあたり、EPA40mg+DHA25mgです。

体重10kgのコーギーでは、EPA(400mg)+DHA(250mg)で650mgにもなります。

どうでしょうか?思っていたよりも多いと感じるのではないでしょうか。

サプリメントの目安量では、通常、病気の療養のための用量ではないため、そのままでは少ない場合がほとんどでしょう。

オメガ3脂肪酸の腎臓病の犬への効果を報告した研究では、もっと高用量な幅になっていますが、それだとNRCの安全上限を超えてしまいます。

そのため、最近の研究では、代謝体重(kgBW0.75)あたりEPA+DHAで140mgが推奨されています。

こちらで計算すると、体重10kgの場合、代謝体重×140=5.62×140となり、EPA+DHAは787mgになります。

標準的とされる用量も十分に高用量ですが、それよりもさらに多くなります。

サプリメントによってEPAやDHAの含有量が異なり、ピッタリと用量通りに与えるのは現実的ではありません。

そのため、両方で愛犬の用量を確認して、それを愛犬の用量の幅とすると、迷うことなく与えることができると思います。

MEMO
代謝体重とは、実際に愛犬が代謝活動をする体重(重量)のことで、体重の0.75乗することで求められます。この代謝体重は維持エネルギー要求量の計算にも使われます。
代謝体重の求め方
代謝体重=体重0.75=体重^0.75

体重10kgのコーギーなら、10^0.75=5.62(赤い文字部分をGoogleの検索窓にコピペ、愛犬の体重に置き換えて検索すれば答えを返してくれます)

市販の療法食の場合はどうすればいいのか?

療法食を与えている場合は、療法食に含まれている分を差し引いた量を補うことになりますが、EPAとDHAがどのくらい含まれているかはわかりません。

乾物量ではオメガ3脂肪酸としての量しかわかりませんが、かなりの高用量になっているものもあります。

そのため、記事では、療法食を与えている場合で、EPAとDHAを補う場合はメーカーに問い合わせるよう勧めています。

EPAとDHAは酸化しやすいため、療法食では酸化防止がされてはいますが、一部は酸化しているかもしれません。それを見越しての高用量ということもありますが、メーカーに聞いてみないとEPAやDHAの量はわかりません。

補うのであれば、合計が上限を超えないように、用量の3分の1以下にするなどした方がいいでしょう。

用量についてのまとめと用量の自動計算

  • 体重1kgあたり、EPA40mg+DHA25mg
  • 代謝体重(kgBW0.75)あたりEPA+DHAで140mg

愛犬チャコの場合は、標準的な用量を基本にしていますが、サプリ以外にも、食材から食事としても補っているため、サプリと食事で両方の用量の幅におさまるように与えています。

EPA+DHAを高用量で補えるサプリ

EPAとDHAは魚油に多く含まれ、サプリメントが最も簡単で手っ取り早い方法です。ただ、選ぶ際は高用量で与えるということを前提に選びます。

MEMO
アマニ油に多いのは、同じオメガ3脂肪酸でもα-リノレン酸です。体内でα-リノレン酸からEPAとDHAに変換されますが、人では10%程度で、犬も同様かそれ以下とされ、わずかなので、必ずEPA+DHAの状態で摂れるものを与えます。

サプリは人用を選び、含有量が不明なものは選ばない

犬と人で成分が違うわけではありませんので、犬用である必要はありません。

EPAやDHAは酸化しやすいので、品質管理のしっかりした信頼できる人用のサプリメントがおすすめです。犬用よりも値段も手頃で、コスパが良いものもあります。

慢性腎臓病の犬の標準的な用量では、EPAがDHAの1.6倍になっていますが、用量通りの割合のサプリが存在するかどうかもわかりませんので、EPAの割合が多いサプリであれば気にする必要はありません。

サプリメントは含有量が不明なものは選ばないようにしましょう。

例えば、EPA含有魚油○○mgというのは、EPAやDHAそのものの量ではないので注意しましょう。思っているよりEPAやDHA自体の量は少量です。

用量に従って与えるので、必ず含有量のわかるものを選ぶようにします。

1粒あたりの含有量や大きさの違うサプリで愛犬の用量に調整する

通常の健康維持のために補うのとは違い、高用量で与えることになるので、愛犬の体重に応じてEPAやDHAが高濃度でないと、愛犬に与えるソフトカプセルの数が増えてしまいます。

そのため、愛犬の体重次第ですが、EPAとDHAが高濃度で配合されていることが必須になってきます。

例えば、中型犬以上になると、体重10kgの犬でも、1粒あたり100mg程度のサプリでは7~8粒も与えることになります。食事に混ぜても愛犬が食べてくれるかどうかもわかりません。

日本のメーカーのものは、一粒が小さく、私たちが飲みやすい大きさになっていて、高濃度ではありません。中型犬(コーギーも)以上の愛犬には向いていませんが、愛犬の用量を調整するのには丁度いいです。

海外メーカーの高濃度のものは一粒が大きい場合が多いので、そのまま与えるには不向きですが、粒が大きいので包丁などで穴をあけて中身だけを与えることもできます。

まとめるとこうなります。

  • 一粒が小さく含有量が低いサプリは用量を調整するのに便利
  • 一粒が大きく含有量が高いサプリは、粒数を減らせて、中身だけを与えるのが簡単

一粒あたりの含有量や大きさの違うサプリを組み合わせて愛犬の用量に調整して、愛犬が無理なく摂れるようにするのがおすすめです。

食事にサプリをそのまま混ぜても器用に残す場合の与え方

ソフトジェルカプセルのままでは食事に混ぜても器用に残すこともあると思います。

そんな時は、ソフトジェルカプセルはゼラチンでできているので、熱で溶けます(柔らかくなる)。これを利用して、工夫して与えてみてください。

例えば、ドライフードなら少量のフードとソフトジェルカプセルを皿に入れ、お湯をかけたり、水を張ったフライパンに入れて一緒に蒸すといいかもしれません。

加熱する食材があるなら、加熱後の食材に混ぜて、その熱で溶かすこともできます。

粒数が多くなるとありがちなので、やはり粒が大きく高濃度のものと組み合わせるのがおすすめです。

療法食を手作りするなら下記の記事も参考になるかもしれません。

手作り腎臓病食向け!EPA+DHAのワンランク上の与え方

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