犬の【白内障】愛犬のために飼い主ができること

白内障(はくないしょう)ってどんな病気?

白内障は、遺伝と老化によるものがほとんどです。人間同様、症状に差はありますが年をとればほとんどの犬がかかる可能性がある病気です。

目玉(眼球)のなかには水晶体(すいしょうたい)と呼ばれるレンズがあります。白内障は、そのレンズが白くにごり、視力が低下していく病気です。進行すればするほど、白いにごりが増え、視力は低下していきます。

年だから仕方がない?老化以外にもある原因とは?

コーギーにとっては加齢と共に見られる老化現象といってもいいでしょう。

しかし、原因はそれだけではありません。

白内障は糖尿病の合併症として発症することでも知られています。アメリカでは近年、糖尿病から白内障になるケースが増えてきていて、日本でもそうなる日は近いかもしれません。

この場合は、飼い主が防げるケースですので、食欲が旺盛でおねだり上手なコーギーは、注意しましょう。

老化や糖尿病の他にも、白内障には、他の目の病気(炎症)や目の外傷、遺伝的になりやすいとされる犬種もいます。幸いコーギーは遺伝的要因は心配ありません。

遺伝的要因で白内障になる場合、犬種により発症年齢に違いがあります。早い犬種で生後8週、遅くとも6歳までには発症するのが特徴です。

年齢も若くその後の生活もまだまだ長いため、手術は加齢や老化による白内障よりも多いとされています。

遺伝的になりやすいとされる犬種だから必ず発症するということではなく、遺伝的要因を持っているというだけで、発症しない犬ももちろん多くいます。

遺伝性白内障が知られている犬種

MSD Veterinary Manualには、遺伝性白内障がある犬種として、20犬種が掲載されています。このうち、アニコム損害保険株式会社が発表している人気犬種ランキング2018にランクインしている犬種では次の犬種が該当します。

  • アメリカン・コッカー・スパニエル
  • ボストン・テリア
  • ビション・フリーゼ
  • ラブラドール・レトリーバー
  • ゴールデン・レトリーバー
  • ミニチュア・シュナウザー

人気犬種ランキングには入っていないものの、有名な犬種では、シベリアンハスキー、ジャーマンシェパード、ロットワイラー、プードル(スタンダード)なども該当します。

日本のネット上ではトイプードルやビーグル、フレンチ・ブルドッグも好発犬種としてあげられています。

出典
MSD Veterinary Manual – Eye and Ear – Lens Table1:Inherited Cataracts in Domestic Animals
アニコム損害保険株式会社 人気犬種ランキング2018

気になる症状・サイン

気になる症状やサインもありますが、病気の初期段階に気づくのは難しいと思います。

  • 水晶体(レンズ)が白くにごります。一ヶ所だったり、散らばって濁っている
  • 視力が低下するので、よくものにぶつかる、よろける、投げたボールやおもちゃをよく見失ったりする
  • 物音に敏感になったり、外に出るのを嫌がったりする
  • 動くものを目で追っているか

一般的にはこれらが気になる症状やサインとして紹介されますが、視力の低下を疑わせる症状やサインに飼い主が気づいた時には、白内障は進んでいると思った方がいいでしょう。

水晶体の白い濁りは、余程進んだ白内障の場合でないと私たちにはわかりません。

核硬化症と勝手に判断しないように注意

白内障とよく似た症状に核硬化症があります。

核硬化症は、高齢の動物にみられる加齢による老化現象です。水晶体の中心、「核」と言われる部分が加齢により白く濁ってきます。

犬では6歳以上から見られるといわれています。

人の場合、つまり医学では核硬化は白内障の一つとして分類されますが、獣医学では区別して診断されます。

白内障も核硬化症も、光の加減で「何だか目が白っぽい」と飼い主が気づくことが多いですが、白内障なのか核硬化症なのか、その区別は私たち飼い主には難しいです。

核硬化症は、愛犬の日常生活に大きな支障が出るほど視覚を失ったり、痛みを伴わないですが、白内障であった場合は進行していくと視力を喪失することにもなります。

核硬化症と白内障が同時に存在することもあるため、愛犬の瞳に光が当たって白っぽかったり、ブルーグレイの混濁が見られるようなら、いずれにせよ動物病院で診てもらいましょう。

白内障ではない場合でも、愛犬にも老化が訪れているというサインですので、先を見据えた健康管理を意識しましょう。

MEMO
核硬化症は、核硬化が非常に密集している場合以外は、視覚に大きな影響はなく、治療も行いません。視覚への影響、治療をする、しない、という違いもあるので白内障とは区別します。

飼い主ができることと白内障の予防策

コーギーの場合、ほぼ老化による白内障で、ゆっくりと進行していきます。そのため、初期段階は水晶体の白く濁った部分が小さく、さほど視力の低下も見られないため、飼い主が気が付かないうちに進行していきます。

そのため、飼い主にできることの一つは、治療効果の高いとされる初期の段階で白内障に気づいてあげることです。老化が気になりだしたら、健康診断のつもりで動物病院で確認してもらうといいかもしれません。

ただ、病気の早期発見は生活の質を維持する上で大事ですが、飼い主が気づいた時には愛犬が高齢で、余命や進行の速度を考えると、「うちの子も、もう年だから…」と見守るしかないという方が多いでしょう。

飼い主ができることとして、白内障の引き金になる他の目の病気(炎症)や目の外傷、糖尿病などに注意することで、老化以外の白内障のリスクを減らすこともできます。

老化現象であるので私たちや愛犬も避けて通れないものですが、飼い主にはどうにもできないというわけではなく、飼い主にできる予防策もあります

MEMO
遺伝的に心配な犬種の場合は、子犬のうちから定期的に獣医に診てもらうようにしましょう。眼科手術は専門性が求められるので、将来のことを考えて、専門とする獣医がいる動物病院を事前に調べておくのもいいでしょう。

白内障の【予防策】シニアになったらルテインとゼアキサンチン

ルテインとゼアキサンチンは、複数の研究で、加齢性黄斑変性症および、加齢による白内障のリスクを低減させることがわかっています。

ルテインとゼアキサンチンは、ホウレン草やブロッコリーなど緑黄色野菜に多く含まれ、強い抗酸化作用をもつカロテノイドと呼ばれる黄色色素の一種です。

ルテインとゼアキサンチンは、眼の網膜や水晶体に存在する成分で、網膜に有害な青色光(紫外線)を吸収し、紫外線と加齢による酸化ダメージから目を保護しています。

ルテインとゼアキサンチンのサプリを投与した研究が有名で、犬に投与した研究でも有用性が示されています。

ほうれん草やブロッコリーで研究で有用性が示された量を摂るのは、犬では無理です。そのためサプリで摂ることになりますが、犬用のものである必要はありません。

信頼できる人用のものを与えた方が賢明です。

今は犬用サプリや健康食品も様々なものがありますが、犬用となると、値段が高くなりがちで、信頼性に欠けるものも多々ありますので注意してください。

ルテインとゼアキサンチンの他にも、化粧品でもお馴染みのアスタキサンチン、クルクミン(ウコンに含まれる成分)、ブロッコリースプラウトのスルフォラファンなども白内障の予防やガンのリスク低減にも期待されている成分です。

ブロッコリースプラウト(村上農園)はスーパーで買えますので、愛犬はもちろん家族みんなで食べることができるので、手作り食におすすめです。ちなみに我が家でも与えています。

どのくらい与えるのがいいのかについては正直わかりません。ごく少量から細かく刻んで食事に混ぜて与え、多くても数グラム程度で十分かと思います。

スルフォラファンの効力は3日ほど持つそうなので、3日に一度以上のペースを参考にしてみるといいでしょう。

獣医から愛犬の状態と予後について情報を引き出す

白内障は、手術以外に治療法はありません。手術をするにしても、犬の場合、全身麻酔が必要になりますし、高齢であることが普通ですので、体力的な問題や持病などとの兼ね合いもあります。

年齢を考えて、どうするのがあなたと愛犬にとって幸せなのか、よく考えて判断するためにも、獣医から必要な情報を引き出しましょう。

手術を行うことで、視力が回復し、以前より元気で、活発さを取り戻して過ごすこともできますが、 白内障手術には合併症のリスクもあります。また、まれに手術後に数週間から数年後に、後発白内障になる場合もあります。

手術しなければよかった・・・なんてことにならないように、リスクや予後について、必ず獣医に話を聞きます。

手術の他には、点眼薬で進行を遅らせる方法があります。

初期であれば手術をせずに、視力低下による生活の質の低下を防ぎながら、余生を送れる可能性もあります。

逆に、飼い主が愛犬の視力の低下を疑った時には、進行している場合がほとんどです。点眼薬では視力を回復することはできません。

白内障は余程進行しない限り、完全に見えなくなる事は無く、何とか日常生活を送ることもできます。

どうするのがあなたと愛犬にとって幸せなのか、よく考えて判断するためにも、愛犬の現状と予後について獣医から必要な情報を引き出しましょう。

白内障の新しい点眼薬は要注意!

白内障の手術をしなくても治療できると謳う点眼薬が海外にはあります。

N-アセチルカルノシンという複合アミノ酸溶液を含む点眼薬で、初期の段階にある白内障で効果が高いようですが、人用・犬用ともに日本国内では未承認のため販売されていません。

海外からの個人輸入という形になりますが、海外でも白内障の治療薬としては認可されていません。

研究によると、有用性があるようですが、副作用については情報が不完全です。値段も高く、進行している場合では治療効果は初期段階に比べると低いようですので、個人的にはお勧めできません。

もし選択肢として検討する場合は、獣医師に相談しましょう。

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