犬の慢性腎臓病向け療法食(ドッグフード・ドライ)を比較

療法食は、メーカーによって制限が必要な栄養素の成分値にかなり差があります。

通常の維持食のように、栄養素ごとに数値として細かい基準があるわけではありませんので、どの程度の栄養素の調整やサポートで療法食と言っているのかはメーカー次第です。

有効性もエビデンス(科学的根拠)もメーカー次第です。

療法食は食事なので、愛犬が食べてくれるというのはもちろん重要ですが、栄養学的なサポートが十分かどうかも重要です。

どんな過不足がある療法食なのかがわかれば対策をすることができます。

ここでは、国内で購入できる療法食(11製品)を比較表にまとめました。

慢性腎臓病の犬用療法食【ドライドッグフード】の比較表

比較表では、数値として比較できるもののうち、CKDの愛犬に重要度の高いものを比較しています。

よくある乾燥重量(乾物量、DM)100gあたりではなく、100kcalあたりでの成分量、体重10kgの各メーカーの給餌量目安での成分量で比較しています。

ドライフードを愛犬に実際に与えた時に、どのくらい違いがあるかをわかりやすくするためですので、慣れないかもしれませんが、参考にしてください。

各項目は昇順あるいは降順での並べ替えができます。

MEMO
比較表はメーカー公式HP(グローバルサイトの英語版、日本の公式)およびメーカー作成の資料、販売店などのデータに基づいて作成。データ最終確認日:2019/10/05

100kcalあたりで成分値を比較

療法食100kcalあたりでは栄養素がどのくらいになるかで比較しています。

給与量目安でのカロリー量はメーカーによって異なりますが、あなたの愛犬に必要なカロリーを中心に比較できます。

愛犬に必要なカロリーに合わせて給餌する場合はもちろん、ウェットフードと混ぜる場合、給与量を調整する場合などにも役立ちます。

100kcalあたりの栄養素での比較

療法食
100kcalあたり
タンパク質
(g)
リン
(mg)
ナトリウム
(mg)
カリウム
(mg)
脂質
(g)
EPA+DHA
(mg)
ロイヤルカナン
腎臓サポート
3.550901504.5118
ヒルズ
k/dドライ
3.455431714.8256
スペシフィック
CKD
3.260302803.8400
ドクターズケア
キドニーケア
3.864321534.9140
ブルーバッファロー
KS
3.66464-4.6387
RC腎臓サポート
セレクション
3.270901534.6119
フォルツァ10
RA(小粒)
3.773241844.5425
ナチュラルハーベスト
キドニア
4.580291863.113
アニモンダ
Nierenニーレン
3.487781825.0-
MONGE (モンジ)
腎臓サポート
4.493502074.4168
ハッピードッグ
サノN
3.3104261173.6-
MEMO
※EPA+DHAの項目で、斜体の数字 はオメガ3脂肪酸としての量

※各項目でメーカーが公表していないものは「-」で表示

※小数点以下を四捨五入または小数点第二位以下を四捨五入

給与量の目安でのエネルギー量はメーカーによって異なりますので、給与量目安で与える時の成分値と愛犬に必要なカロリーを計算して与える場合の成分値は異なります。

体重10kgの給与量目安での比較と併せて参考にしてください。

体重10kgの愛犬に給与量目安で与える場合で比較

各メーカーの給与量の目安(標準)をもとに、実際に体重10kgの犬に与えた場合、愛犬は各栄養素やカロリーなどはどのくらい摂取することになるのかで比較できます。

つまり、同じ体重10kgの犬で、メーカーが想定しているエネルギー量と成分量の違いがわかるので、よりメーカーごとの違いが明確になります。

各項目の見出しにある数値は、健康な犬のFEDIAFの最小推奨値(給与量は400kcal/100gで計算)と、慢性腎臓病の犬に推奨されるEPA+DHAの用量です。

体重10kgの給与量目安での比較

療法食名給与量
155g
エネルギー
618kcal
タンパク質
28g
リン
620mg
ナトリウム
170mg
カリウム
790mg
脂質
9g
EPA+DHA
650mg
ヒルズ
k/d
161628213442731075301608
ロイヤルカナン
腎臓サポート
1556182230955692728729
RC腎臓サポート
セレクション
1556151943155493828732
ドクターズケア
キドニーケア
17571027454227108435994
フォルツァ10
RA(小粒)
161613224501451126272605
スペシフィック
CKD
134563183381691576212252
ハッピードッグ
サノN
1505761959915067421-
ナチュラルハーベスト
キドニア
140475213781398841463
MONGE (モンジ)
腎臓サポート
155600265583001242261008
ブルーバッファロー
KS
15961722635397-292388
アニモンダ
Nierenニーレン
15062021541481112831-
MEMO
※EPA+DHA:斜体の数字 はオメガ3脂肪酸としての量、赤色の数字はNRCの上限超過

※ブルーバッファローのリンは397mg以上876mg以下。表には中間を記載

※各項目でメーカーが公表していないものは「-」で表示

※小数点以下を四捨五入

給与量の目安で与えた場合、タンパク質はほぼ横並びですが、リンは最小と最大で290mgと大きな差があるのがわかります。

療法食を手作りしている立場から、この差がどのくらい大きいかを言わせてもらうと、体重8kgの愛犬チャコの1日のリン摂取量以上の差があります。

乾物量(DM)で比較した場合、その差はわずかに見えてしまうので注意が必要です。

食材で言えば、鶏もも肉(生、皮付き)170g分もの差があります。リン100mgの差は鶏もも肉60g分にあたります。

療法食の選び方や比べ方がわからない時は以下の記事を参考にしてください。

腎臓病食を手作りしてわかった!後悔しない療法食の選び方
注意
実際の製品の成分値には幅があり、慢性腎臓病は進行する病気です。定期的な検査で食事療法が上手くいっているか獣医に確認してください。